更新日:2023年10月31日

循環器内科

診療科の紹介・特色

日浅 豪
主任部長
日浅 豪
(ひあさ ごう)

胸が締め付けられる、動悸・息切れが強くなった、めまい・立ちくらみがある、足がむくむ、歩くと脚が痛くなる。もしかしたら心臓血管病のサインかもしれません。大事に至る前に一度診察させていただければ幸いです。

愛媛県中 循環器内科3本の矢

第一の矢 救急医療
24時間体制で救命措置の必要な患者さんを受け入れます。
第二の矢 ハートチーム
愛媛県中のエキスパートが協働し、質の高いチーム医療を実践します。
第三の矢 高度医療

先進的な高度循環器医療を県民の皆様に提供します。

対象疾患

1.虚血性心疾患

動脈硬化により冠動脈に狭窄や閉塞を来すことで狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症します。生活習慣病が重積し胸痛が新たに出現した方は受診をお勧めします。当科ではより新しい機器、デバイスを用い、狭心症、心筋梗塞の診断、治療を行っています。

正常の血管
正常の血管
アテローム硬化
アテローム硬化(粥腫)

心臓CT/FFR-CT

当院は高性能のCT装置を導入しており、低被ばくで短時間に冠動脈の撮影が可能です。心臓CTは冠動脈の形態(狭窄の程度)評価に優れた診断法ですが、当院ではFFR-CTという先進的なテクノロジーで、同時に虚血評価(血流評価)を行うことが可能です。

心臓CT
心臓CT

PET(アンモニアPET心筋血流検査)

心筋の血流状態を診るPET検査で、通常の心筋シンチグラフィーよりも心筋血流の数値化が可能で鮮明な画像が得られるため、心臓の状態をより正確に把握できます。多枝病変(複数の冠動脈に病変が存在)の評価にも有用で、心臓CTと組み合わせることでより診断精度が向上します。

PET(安静時)
安静時
PET(負荷時)
負荷時

カテーテル治療(風船治療、ステント治療)

主に手首の動脈から冠動脈にカテーテルを進め、治療を行います。多くの場合、狭窄部位を風船で拡げ、ステントという金網を留置します。薬剤溶出性ステントの使用によりカテーテル治療のアキレス腱と言われた再狭窄率は数%にまで低下しました。

冠動脈ステント
冠動脈ステント

右冠動脈完全閉塞
右冠動脈完全閉塞
ガイドワイヤー通過
ガイドワイヤー通過
ステント留置
ステント留置
最終造影
最終造影

高度石灰化病変に対する治療デバイス

冠動脈に硬い石灰化があると血管が拡がりにくいため、石灰化の少ない病変と比較するとステントを留置しても治療成績が悪いことが知られています。このため以下のような石灰化病変に特化した器機により石灰を削ったり破砕することが重要になります。当院では以下の3つの器械を使用可能であり病変に応じて使い分けています。

a.ロータブレーター

小さなダイヤモンドが埋め込まれた先端部の丸い金属を高速に回転させることで硬い石灰化病変を削る治療で、施設基準を満たした施設のみで使用が可能です。

ロータブレーター
ロータブレーター

b.ダイヤモンドバック

ロータブレーターに加えて使用可能となった高度石灰化病変に対する治療デバイスです。先端のダイヤモンドで構成されたクラウンが軌道回転して石灰化病変を大きく削ることができます。ロータブレーターとダイヤモンドバックを併用することで、より有効に石灰化病変を切削することが可能となります。

ダイヤモンドバック
ダイヤモンドバック

c.IVL(血管内リソトリプシー)システム

上記a.b.の2つは石灰を「削る」デバイスですが、IVLは「砕く」デバイスとなります。
医療用の小さな風船が付いたカテーテルを病変部まで挿入し(図A)、冠動脈壁に蓄積した石灰を衝撃波により砕きます(図B、C)。これにより、冠動脈をより大きく拡張でき(図D)、効果の高い血流の改善が可能となります。

血管内リソトリプシーシステム
Reprinted from JACC: Cardiovascular Interventions, Volume 14/Issue 12, Dean J. Kereiakes, Renu Virmani, Jason Y. Hokama, Uday Illindala, Carlos Mena-Hurtado, Andrew Holden, Jonathan M. Hill, Sean P. Lyden, Ziad A. Ali, "Principles of Intravascular Lithotripsy for Calcific Plaque Modification", Pages No.1275-1292, 2021 Jun 28, with permission from Elsevier.

エキシマレーザー冠動脈形成術(ELCA)

カテーテルの先端から照射されるエキシマレーザーによって病変部を蒸散し、閉塞した血管を開通させる治療方法で、多量の血栓を含む急性心筋梗塞の病変、ステント再狭窄病変、静脈グラフト病変など、通常の治療が困難な複雑病変に対して有効です。

エキシマレーザー冠動脈形成術
エキシマレーザー冠動脈形成術

インペラ(IMPELLA)

インペラは小型のカテーテル式補助人工心臓装置です。重篤な心原性ショック等の急性心不全に対して、主に大腿動脈から挿入し、左心室から直接脱血し、上行大動脈に送血することにより心臓を補助します。急性心筋梗塞などの疾病で心臓のポンプの力が大幅に失われた患者さんにおいて極めて有効な治療法です。

インペラ(外部リンク)

2.構造的心疾患

心臓弁膜症

心臓には4つの弁があり、いずれかの弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態を心臓弁膜症といいます。心臓弁膜症は心臓のポンプ失調を引き起こし、生活の質を損ね、生命をも脅かします。動悸・息切れは初期のサインの可能性があります。当院は大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)の専門施設であり、僧帽弁閉鎖不全症に対する経カテーテル僧帽弁クリップ術(マイトラクリップ)の県内で数少ない実施施設にも認定されています。弁膜症・心雑音外来を毎日開設しております。

TAVI 経カテーテル大動脈弁留置術
経皮的僧帽弁クリップ術(マイトラクリップ)

脳卒中はカテーテルによる予防の時代へ

ブレインハートチームとは

心房細動による心原性脳塞栓症、卵円孔開存による奇異性脳塞栓症は脳卒中の重要な原因です。現在、これら心臓に関連する脳卒中はカテーテルによる予防治療が可能となりました。当院ではカテーテル治療、脳卒中、心エコー、不整脈、心臓血管外科を専門とする医師やメディカルスタッフからなるブレインハートチームを結成し、個々の患者さんに応じた治療を行っています。

経皮的左心耳閉鎖術への内部リンク
経皮的卵円孔開存閉鎖術への内部リンク

3.下肢閉塞性動脈硬化症

加齢・喫煙・生活習慣病により引き起こされる動脈硬化(血管の老化現象)が原因となって、足への血液の通り道である動脈が細くなるために起こる病気です。高齢化や透析患者さんの増加に伴い、治療適応となる患者さんは年々増加傾向にあります。詳しくは、以下のリンク先ページをご覧ください。

下肢閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療への内部リンク

4.不整脈

動悸や息切れ、重篤な場合には意識を失ったり、突然死を来すことがあります。心臓内の原因部位を高周波で焼灼・壊死させて不整脈を根治させるカテーテルアブレーションという治療を行っています。先進的な三次元マッピング装置を常備し、県内屈指の診療実績を誇っています。

心房内マッピング
心房内マッピング
カテーテルアブレーション
カテーテルアブレーション
(肺静脈隔離術)

5.ペースメーカーなどデバイス治療、デバイス抜去術

ペースメーカー

脈が極端に遅くなると、心臓から送り出される血液が減流するため、失神したり心不全を来します。それを、防ぐのがペースメーカーです。本体は前胸部の皮下に植込まれ、リード線は本体から静脈を通り心臓の筋肉に留置されます。本体が非常に小さくなったため、本体ごと心内に植え込むことが可能となったリードレスペースメーカー手術も行っています。

通常のペースメーカー

通常のペースメーカー

リードレスペースメーカー

リードレスペースメーカー

植え込み型除細動器(ICD)

徐脈のみならず頻脈性の不整脈の治療もしてくれるのが、植込み型除細動器(ICD)です。心内に電気ショックを行うことにより心室頻拍、心室細動といった致死的な不整脈を治療してくれます。また、リード線と本体がすべて皮下へ植え込まれる皮下植込み型除細動器も使用できるようになりました。

植え込み型除細動器
植え込み型除細動器

皮下植え込み型除細動器
皮下植え込み型除細動器

心臓再同期療法(CRT)

心不全を治療する特殊なペースメーカーは心臓再同期療法(CRT)と呼ばれ、心臓を伝わる電気信号が遅くなり、心臓の動きにばらつきが生じている患者さんに適応となります。CRTに上記ICD機能の備わったCRT-Dも使用可能であり、致死的不整脈を合併した心不全患者さんが適応となります。

心臓再同期療法

遠隔モニタリング

これまで上記の機器は外来での定期的なチェックが必要でしたが、それらの情報を中継機器と電話回線を介して自宅からサーバーに送ることが可能となり、患者さんの受診回数を減らすことが可能となりました。

遠隔モニタリング

デバイス抜去

ペースメーカーなどの植込み型デバイスの手術数は年々増加していますが、リードや本体にばい菌がついてしまうデバイス感染という新たな問題が生じています。感染を完治させるには、本体、リードを含めたすべてのシステムの抜去が必要ですが、癒着により容易ではありません。当院ではシステムを全抜去するためのエキシマレーザーシステムやメカニカルシースが使用可能であり、県内外から治療が必要な患者さんをご紹介いただいております。

エキシマレーザーシステム
エキシマレーザーシステム
メカニカルシース
メカニカルシース

6.心臓リハビリテーション

心臓病患者さんの早期退院・社会復帰のためには心臓リハビリテーションが重要です。当院では超急性期から積極的に心臓リハビリテーションを行っています。

心臓リハビリテーション
心臓リハビリテーション

外来担当表

循環器内科

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 岡山 英樹 川田 好高 川田 好高 日浅 豪 山田 忠克
午後

心カテ(毎日)/心エコー(毎日)

初診

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 ローテーション 岡山 英樹 日浅 豪 川村 豪 松田 健翔
午後

不整脈外来

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 山田 忠克 川田 好高 山田 忠克
午後

末梢・静脈血管外来

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 青野 哲哉 青野 哲哉
午後

ペースメーカー外来

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前
午後 循内ペースメーカー外来

弁膜症・心雑音外来

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 ローテーション 岡山 英樹 日浅 豪 日浅 豪
川村 豪
松田 健翔
午後

関連ページ

TAVI 経カテーテル大動脈弁留置術
経皮的僧帽弁クリップ術(マイトラクリップ)
経皮的左心耳閉鎖術への内部リンク
経皮的卵円孔開存閉鎖術への内部リンク
下肢閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療への内部リンク
循環器病センターFacebook
(外部リンク)
急性心筋梗塞ドットコム
(外部リンク)

施設認定

  • 日本内科学会認定医制度教育病院
  • 日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
  • 日本心血管インターベンション治療学会研修施設
  • 日本不整脈心電学会認定不整脈専門医研修施設
  • 日本心エコー図学会心エコー図専門医研修施設
  • 日本経カテーテル心臓弁治療学会認定TAVR専門施設
  • 経皮的僧帽弁接合不全修復システム(MitraClip)実施施設
  • 左心耳閉鎖システム実施施設  
  • 経皮的卵円孔開存閉鎖術実施施設
  • IMPELLA補助循環用ポンプカテーテル実施施設
  • ロータブレーター実施認定施設
  • ダイヤモンドバック実施認定施設   
  • 血管内リソトリプシー実施認定施設
  • エキシマレーザー冠動脈形成術実施認定施設
  • 両心室ペースメーカー移植術実施認定施設
  • 植込型除細動器移植術実施認定施設
  • 経静脈電極抜去術実施認定施設 

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