更新日:2021年5月13日

TAVI 経カテーテル大動脈弁留置術

大切な心臓を守る カテーテルによる大動脈弁治療

大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI:タビ)のご紹介

TAVI施行件数
TAVI

愛媛県立中央病院は、TAVI専門施設に認定された病院です。

大動脈弁狭窄症とは

大動脈弁狭窄症とは

心臓の弁に異常を来す弁膜症の一つで、弁が硬く、開きにくくなるために、心臓から全身に送られる血流が妨げられてしまう病気です。

初期にはほとんど自覚症状がなく、ゆっくりと進行することが多いために気付かれにくい病気ですが、胸の痛み、動悸・息切れ、失神などの症状を伴うようになると、生活の質が低下し、突然死に至る可能性の高まることも知られています。

TAVI(タビ)とは?

TAVI(タビ)とは?

心臓弁膜症の一種である大動脈弁狭窄症に対する最新の治療法で、Transcatheter Aortic Valve Implantation(経カテーテル大動脈弁留置術)の頭文字を取ってTAVI(タビ)と呼ばれています。

TAVIはカテーテルを使用して、人工弁を患者さんの心臓に留置する治療法であり、患者さんの負担が圧倒的に少ないため、高齢などの理由で手術をあきらめていた方の治療の選択肢の一つとなります。2002年にフランスで治療が始まりましたが、日本でも2013年に導入されて以降、30,000例以上の治療が行われています。

現在日本では2種類の人工弁(バルーン拡張型人工弁サピエンシリーズ、自己拡張型人工弁コアバルブシリーズ)が認可されております。当院でも患者さんの全身状態、大動脈弁やアプローチする動脈の性状などに応じて2種類の人工弁を使い分けており、良好な成績を収めております。

バルーン拡張型デバイスによるTAVI
(経カテーテル的大動脈弁植え込み術)
※外部のサイトを表示します

自己拡張型TAVIデバイスによるTAVI
(経カテーテル的大動脈弁植込み術)
※外部のサイトを表示します

愛媛県立中央病院の"TAVI"

TAVI(TAVR)専門施設を取得

当院は2015年8月に愛媛県で最初の認定施設となり、多くの経験を積み重ねてきました。当ハートチームの実績が高く評価され、日本経カテーテル心臓弁治療学会から「TAVI(TAVR)専門施設」の認定を受けております。専門施設以上の認定のハードルは高く、200年12月現在全国で34施設のみです。

TAVI(TAVR)専門施設を取得-1
TAVI(TAVR)専門施設を取得-2
TAVI(TAVR)専門施設を取得-3

TAV in SAV実施施設

TAV in SAV実施施設

生体弁を使用して外科的大動脈弁置換術を行い、およそ10~15年経過すると生体弁が劣化してきます。生体弁が狭窄や逆流を来たして正常に機能しなくなった状態を「外科的生体弁機能不全」と言います。これまでは再度、外科手術を行うしか選択肢がありませんでしたが、2回目の開胸手術は非常にリスクが高く、手術を諦めざるを得ない患者さんが少なからず存在していました。

2018年7月から治療経験の豊富な施設に限定して、「機能不全に陥った外科生体弁に対するTAVI(TAV in SAV)」が本邦でも可能となり、当院も実施施設に認定されています。外科的生体弁機能不全の患者さんにとって有益な治療オプションの一つとなると考えられます。

透析患者さんに対するTAVIを開始

透析適応これまで透析患者さんに対しTAVIを施行することができませんでしたが、この度、適応が拡大され、2021年2月1日に保険適応となりました。当院は全国で25施設に限定された透析適応拡大導入施設に認定されました。

透析患者さんは開心手術のリスクが高いため、TAVI適応拡大は大きなメリットになると考えられます。

3名のTAVI指導医

一定数の経験数を有する術者が認定される「TAVI指導医」に内科医2名、外科医1名が認定されております。

より安全に手技が完遂できるように、弁の種類の使い分けやアプローチ部位の使い分けが必要です。当院では様々な治療困難な病態に対して対応が可能となっております。

日浅 豪
循環器内科主任部長
日浅 豪

高齢や体力不足を理由に治療を諦めていた大動脈弁狭窄症の患者さんが回復し、人生を楽しんでおられる姿を拝見すると、TAVIを導入して良かったと強く心に感じています。今後、この治療の恩恵を受けられる患者さんのすそ野は益々広がっていきます。最新の技術・知見を取り入れ、県民の皆様に健康な生活を送っていただける一助となれるよう努力して参ります。
(サピエンシリーズ、コアバルブシリーズ指導医、サピエンシリーズプロクター)

岡山 英樹
循環器病センター長
岡山 英樹

これまで安定した成績を残すことができたのは、"個"の力ではなく、愛媛県中のハートチーム全体の力によるところが大きいと思います。これからも、県民の皆様の安心の拠り所となる病院でありつづけるため、チームで尽力して参ります。
(サピエンシリーズ指導医)

石戸谷 浩
心臓血管外科主任部長
石戸谷 浩

当院では2015年12月までは大動脈弁狭窄症の治療は開胸しての弁置換術のみでした。このために、体力的に開胸が難しい患者さんは投薬治療のみとなっていました。「経カテーテル的大動脈弁植込み術」(TAVI)は侵襲が少ないため、上記患者さんたちに治療の幅を広げています。弁置換で治療するかTAVIで治療するかは多職種で構成されたハートチームで検討して決定します。
(サピエンシリーズ指導医)

ハートチーム
ハートチーム

メリット

TAVIのメリット

新たな治療の選択肢

年齢や合併症のため外科治療を諦めざるを得なかった患者さんにとって、新たな治療の選択肢の一つとなります。

少ない体への負担

開胸せず、心臓を止めずにカテーテルで弁を留置するため、体への負担が少ないのが特徴です。

入院期間の短縮

早期の社会復帰が可能となります。

TAVIのアプローチ方法

TAVIには、太ももの付け根の血管から挿入する「経大腿アプローチ」と、脚からのアプローチが困難な場合にはその他の部位からカテーテルを挿入する3種類の代替アプローチ法があり、患者さんの状態に応じて最適な方法が選択されます。
いずれのアプローチにおいても従来の外科手術よりも少ない身体的負担で治療が可能となります。

TAVIのアプローチ方法

対象となる患者さん

2020年に改訂された日本循環器学会の弁膜症治療ガイドライン(外部リンク)では、年齢に関して優先的に考慮するおおまかな目安として80歳以上はTAVI、75歳未満は開胸手術となっており、また患者さんのご希望や価値観も十分に加味すべきであると記載されています。

    • ご高齢の方(概ね80 (75)歳以上)
    • 肺疾患、肝臓疾患などの合併症のある方
    • 冠動脈バイパス手術など開胸手術の既往のある方
    • 胸部の放射線治療を受けたことのある方

「ワンチーム」=患者さん×愛媛県中ハートチーム

愛媛県中ハートチーム

治療法の決定から実際の手術、術後管理まで、TAVIはハートチームという多岐にわたる分野の専門家で構成されたチームによって行われます。カテーテル治療のエキスパート、心臓手術のエキスパート、心臓麻酔のエキスパート、心エコーのエキスパート、心臓CTのエキスパート、心臓リハビリのエキスパート、心臓看護のエキスパート、医療機器のエキスパート等々、経験豊富なメンバーが職種の垣根を越えて個々の患者さんの診療に深く関わっております。患者さんとハートチームは「ワンチーム」となり病気に立ち向かいます。

愛媛県中ハートチーム
愛媛県中ハートチーム
愛媛県中ハートチーム
愛媛県中ハートチーム

ハイブリッド手術室

ハイブリッド手術室

当院では新病院開設時に愛媛県初となる最新型のハイブリット手術室の稼働を開始しました。

ハイブリット手術室とは手術室と心血管X線撮影装置室を組み合わせた手術室のことで、手術室と同等の空気清浄度の環境下において、必要最小限の外科的治療と低侵襲なカテーテル治療を組み合わせることにより、体への負担を抑えつつ、高度で最新の医療技術を提供することが可能となりました。

よくあるご質問

Q.大動脈弁狭窄症で手術が必要と診断されましたが、希望すればTAVIを受けることができますか?

A.TAVIは高齢で体力の弱った方や他の病気を合併しているために開胸手術が難しい方が対象となります。治療の基本は外科治療であるため、単に外科手術を受けたくないという理由だけではTAVIを受けることはできません。
どの治療が患者さんお一人お一人にとって最も適切であるかを、当院専門の医療チーム(ハートチーム)で検討いたします。

Q.入院期間はどのくらいでしょうか?

A.手術後の経過によりますが、およそ10日程度です。

Q.医療費はどのくらいかかりますか?

A.2013年10月よりTAVI治療が健康保険の適応となりました。高額療養費制度をご利用の場合、更に負担を減らすことが可能です。

※70歳以上の方の上限額:2018年8月診療分から

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
外来(個人ごと)
現役並み 年収 約1,160万円~
標報83万円以上/課税所得690万円以上
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収 約770万円~約1,160万円
標報53万円以上/課税所得380万円以上
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収 約370万円~約770万円
標報28万円以上/課税所得145万円以上
80,100円+(医療費-267,000)×1%
一般 年収 156万円~約370万円
標報26万円以下/課税所得145万円未満
18,000円
〔年144,000円〕
57,600円
住民税非課税等 Ⅱ 住民税非課税世帯 8,000円 24,600円
Ⅰ 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など)
15,000円

※69歳以下の方の上限額:2018年8月診療分から

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収 約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収 約770万円~約1,160万円
健保:標報53万円~79万円以上
国保:旧ただし書き所得600万円~901万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収 約370万円~約770万円
健保:標報28万円~50万円以上
国保:旧ただし書き所得210万円~600万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収 約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者 35,400円

入院時の食事負担や室料等自費分の費用は含みません。
高額療養費制度について、詳しくは厚生労働省のサイト(外部リンク)をご覧ください。

Q.詳しい話を聞きたいのですが?

A.治療に関するご質問、お問い合わせ
愛媛県立中央病院 循環器内科 日浅 豪
電話番号:089-947-1111

内容によっては担当医師に確認し、後日改めてご連絡差し上げる場合もございます。
患者さん個々の病状などに関するご相談は、まずはかかりつけ医とご相談いただく方がよい場合もございますので、予めご了承ください。

TAVIについて詳しく知りたい方は「TAVIサイト(外部リンク)」をご覧ください。

弁膜症・心雑音外来:心雑音の原因を精査いたします

増加する弁膜症疾患に対応するため、当科では毎日「弁膜症・心雑音外来」を行っております。弁膜症診断・治療の経験豊富な専門医師が対応いたします。心雑音が聴取されればご紹介いただき精査いたします。
当院循環器内科のページをご覧ください。

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