更新日:2022年11月25日

下肢閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療

下肢閉塞性動脈硬化症とは

閉塞性動脈硬化症

下肢閉塞性動脈硬化症は、栄養を運ぶ足の血管が狭くなったり(狭窄)、詰まるなど(閉塞)して引き起こされる疾患です。
これは、血管の老化現象の1つである動脈硬化が原因となります。
動脈硬化は、喫煙・糖尿病などの生活習慣病、腎臓病により引き起こされます。

下肢閉塞性動脈硬化症の症状 

下肢閉塞性動脈硬化症の症状
  • 歩くとふくらはぎが痛い。足がだるい。休むとまた歩ける。
  • 歩かなくても痛い。足が冷たい。
  • 足の傷が治らない。足先が黒い。

これらの症状の原因が整形外科の疾患によるものと決めつけていませんか?もしかしたら血管に原因があるかもしれません。

包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)

包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)

下肢閉塞性動脈硬化症が最も進行した状態を包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)と呼びます。下肢が重度の虚血状態(栄養不足)になると、「潰瘍」や「壊疽」を形成し、感染を合併することがあります。
これらの状態は、適切なタイミングで適切な治療を受けなければ、足の切断に至ったり、命に関わることもあります。少しでも気にかかる症状がありましたらお早めにご相談ください。

治療チームについて

足の傷に対する治療では、循環器内科医、心臓血管外科医、形成外科医、皮膚科医、看護師や理学療法士など多くの業種で治療チームを作っており、それぞれの患者さんに適した治療ゴールを設定し、創傷治癒を目指していきます。

治療チームについて

下肢閉塞性動脈硬化症の治療

治療には、運動療法、内服治療、カテーテル治療、バイパス治療など、さまざまな種類があり、当院では患者さん1人ひとりに適した治療を提供できるよう診療にあたっています。

運動療法
運動療法
内服治療
内服治療
ステントグラフト
カテーテル治療

カテーテル治療(EVT)

ステント・バルーン

運動療法や内服治療で改善しない場合は、より低侵襲なカテーテル治療を考慮します。狭くなったり詰まっている血管に、ステント(網目状の金属)や特殊なバルーン(風船)を使って治療します。このカテーテル治療のことをEVT (EndoVascular Treatment)といい、循環器内科ではEVT専門の外来を行っています。

ステント(網目状の金属)
ステント(網目状の金属)
バルーン(風船)
バルーン(風船)

ステントグラフト

透析患者さんなど高度石灰化病変にはステントグラフト(人工血管)を選択します。ステントグラフトは、通常のステントやバルーンで治療が不十分な高度石灰化病変や長区域の病変に対して、新たな血管として血流の改善を可能にします。

ステントグラフト(外部サイトを表示します)

エキシマレーザー

ステント内再狭窄や再閉塞の病変に対し、当院ではエキシマレーザーで治療することができます。エキシマレーザーとは、カテーテルの先端から動脈硬化の起こった冠動脈に直接、レーザーエネルギーを照射します。ステント内再狭窄や再閉塞病変は一定の頻度で発生しますが、従来のバルーンなどを用いる治療に比べて、このエキシマレーザーはより効果的でより安全な治療を可能にすると言われています。

エキシマレーザー(外部サイトを表示します)

膝下動脈に対するEVT

潰瘍や壊疽を伴う膝から足先の血管の狭窄や閉塞に対して、バルーン(風船)で拡げ、血流の改善を図ります。

膝下動脈に対するEVT

その他の動脈に対するEVT

鎖骨下動脈に対するEVT

鎖骨下動脈に対するEVT

症状(運動時の上肢の痛みやしびれ)を伴う鎖骨下動脈の狭窄や閉塞に対して、カテーテル治療を行います。

腎動脈に対するEVT

腎動脈に対するEVT

薬物治療で高血圧等のコントロールが困難な腎動脈狭窄に対して、カテーテル治療を行います。

ハイブリッドEVT

ハイブリッドEVTとは外科治療(バイパス手術)と血管内治療(カテーテル治療)を組み合わせたものです。両者のメリットを活かすことで、どちらか一方だけでは出来なかった治療を可能にします。

EVT外来

循環器内科では「EVT外来」を行っております。詳しくは担当医師までお問い合わせください。

【お問い合わせ先】
愛媛県立中央病院 循環器内科医師 青野 哲哉
089-947-1111(代表)

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