更新日:2025年4月28日
院長からのご挨拶

愛媛県立中央病院は戦後間もない1948年(昭和23年)に日本医療団から移管されて、今年(2025年)で77年になります。
当院は、「県民の安心の拠り所となる病院であること」という基本理念の実現のため、救急医療、がん診療、周産期医療、感染症診療、そして災害時には基幹災害拠点病院としての機能も有する基幹病院です。
具体的には、救急医療では、高度救命救急センターとして、心疾患、脳神経疾患、呼吸器疾患、重症感染症、高エネルギー外傷など重篤な救急患者を中心に受け入れているほか、ドクターヘリの運用にも関わっており、島嶼部や山岳地域も含む広範な県全体をカバーしています。
がん診療では、地域がん診療連携拠点病院として、PET/CTや内視鏡システムなど高度な診断機能を活用し、世界標準の薬物治療、ダビンチ(ロボット手術)、ガンマナイフやIMRT(強度変調放射線治療)など高度な治療を提供しており、2023年度では2,535件と県内最多のがん登録を行いました。また、造血幹細胞移植推進拠点病院のひとつとして、四国地域の造血幹細胞移植も担っています。
周産期医療では、総合母子周産期医療センターとして、ハイリスク妊娠・分娩の母体や超低出生体重児、先天異常など病的新生児を24時間体制で受け入れています。
災害医療では、免震構造の病棟と屋上ヘリポートを整備しているほか、DMAT、JMAT、JRATといった災害対応チームを有し、災害時にも状況に応じた医療が継続して提供できる体制を構築しています。
以上のような、様々な役割を果たすべく、医師、看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師、リハビリなど多くの職種が協力して診療にあたっており、標準治療=科学的根拠に基づいた最良の治療を届けられるよう努力しています。
現在、働き方改革の推進、少子高齢化の進展、人件費・物価の上昇など、医療を取り巻く環境が厳しい中、当院も非常に苦しい状況にあります。これらの課題に対応するためにも、タスクシェア・シフトの推進や医療DXの導入、紹介・逆紹介の推進など医療提供の最適化を図っていきます。また、人材の育成・教育も重要なことから、医学生、看護学生などの実習の受け入れを継続するほか、医療スタッフの技術向上の支援などにも取り組み、職員がやりがいを感じつつ成長できる環境を維持していくことで、引き続き、当院が担う役割を果たしていきます。
引き続き当院へのご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
令和7年4月 愛媛県立中央病院長 中西徳彦