更新日:2024年10月18日

重大な不適合の公表

重大な不適合の公表

臨床研究法における「重大な不適合」とは

  • 「重大な不適合」とは、臨床研究の対象者の人権や安全性及び研究の進捗や結果の信頼性に影響を及ぼすものをいう。例えば、選択・除外基準や中止基準、併用禁止療法等の不遵守をいい、臨床研究の対象者の緊急の危険を回避するためその他医療上やむを得ない理由により研究計画書に従わなかったものについては含まない。

なお、実施医療機関の管理者は、当該「重大な不適合」に関する対応の状況等を公表すること。

(「臨床研究法施行規則の施行等について(令和6年3月29日改正、医政経発0228第1号、医政研発0228第1号)」より)

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針における「重大な不適合」とは

  • 当該研究の倫理的妥当性及び科学的合理性が損なわれるほどに著しくこの指針から逸脱しているもの。
  • 下記に例示するような場合は、研究の内容にかかわらず、不適合の程度が重大であると考えられる。
    • 倫理審査委員会の審査又は研究機関の長の許可を受けずに研究を実施した場合
    • 必要なインフォームド・コンセントの手続きを行わずに研究を実施した場合
    • 研究内容の信頼性を損なう研究結果のねつ造や改ざんが発覚した場合
    • 指針第6章第11の1(3)の「研究に関する情報の漏えい等」の報告を受けた場合

    (「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」ガイダンスより)

    研究機関の長は、当該研究機関が実施している又は過去に実施した研究について、この指針に適合していないことを知った場合には、速やかに倫理審査委員会の意見を聴き、必要な対応を行うとともに、不適合の程度が重大であるときは、その対応の状況・結果を厚生労働大臣(文部科学省の所管する研究機関にあっては文部科学大臣及び厚生労働大臣。経済産業省の所管する研究機関にあっては厚生労働大臣及び経済産業大臣。)に報告し、公表しなければならない。

    (「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」第6章第11の3(1)より抜粋)

当院で発生した「重大な不適合」

当院で発生した「重大な不適合」について、以下の通り公表します。

 臨床研究法関係

研究課題名 成人急性リンパ性白血病に対する治療プロトコール -ALL/MRD2023-
概要

研究の実施計画の変更の際、認定臨床研究審査委員会の意見を聴いた後、当該特定臨床研究の実施の可否について、当院の管理者(院長)からの承認を受ける前に対象者へ化学療法を実施した。さらに、実施の可否について当院の管理者から承認を受けていない本研究の附随研究についての同意取得を行った。

また、同研究への別の参加者1名の同意書の所在が確認できない状態であった。

対応状況等

研究責任医師から研究代表機関・認定臨床研究審査委員会へ報告した。

対象者は本研究から除外となり、通常診療を引き続き行っていくことを説明した。

再発防止策

研究責任者は研究変更にかかわる連絡があった場合は速やかに院内の手続きを行う。

院内での手続きが完了したことを確認後、研究計画書や同意説明文書が改版されている場合は確実に更新し、研究分担者等へ情報共有を行う。

臨床研究に関係する書類は確実に保管する。

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針関係

研究課題名 アグレッシブATLの予後に影響する因子について検討する多施設共同前向き観察研究
概要 研究代表機関で本研究が終了され、新たな後続研究が開始されていたことを理解しておらず、当院の管理者から承認を受けていない後続研究の同意取得を行い、試料・情報を取得した。
対応状況等

研究機関の長の適切な実施許可手続きを取らず研究に着手し、侵襲を伴う試料採取に至っており、不適切の程度は重大である。本研究及び後続研究を中止し、研究責任医師から研究代表者へ報告した。

再発防止策 研究責任医師は研究目的、実施内容について十分に理解し、速やかに院内の手続きを行う。また、疑義事項があれば研究代表者へ確認する。

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