小児科

診療科の紹介・特色

山本医師

主任部長

山本 英一

 当科は愛媛県の小児医療の最終病院の1つであります。また、臨床研修指定病院でもあり、将来の小児医療を担う人材を育成していく責任も担っています。

 小児医療センターでは、2017年に「未来あるこどもの健やかな成長発達を支えます」という理念を決め、それを実現するための5つの基本方針を定めました。

(1)「入院するこどもの権利」を尊重します

(2)診療科や部門を超えたチーム医療を提供します

(3)質の高い小児救急医療を提供します

(4)ケアの継続性を保つために地域連携を行います

(5)小児医療の質の向上を図るためにスタッフの育成に努めます

 

 当院の小児病棟は、診療棟5階に30床を持ち、年間約1,100名(当科としては800名前後)の子どもたちが入院します。小児医療センターとして、当科以外にも小児外科をはじめ、脳神経外科、形成外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、整形外科などの子どもたちも小児病棟に入院する小児専門病棟となっており、小児疾患に対して各科が相談できやすい環境にあります。急性疾患の患者さんが多いため、平均在院日数は約9日ですが、長期入院を余儀なくされる子どもたちもいますので、院内学級を併設しています。2013年度までは小学校のみでしたが、2014年度からは中学校も加わり、入院中の患者さんの教育面をサポートしています。院内学級での勉強以外に、定期的に日本ホスピタルクラウン協会の愉快なクラウンさんたちの病棟訪問もあり、節分の豆まきやクリスマスなど四季折々の催し物は、闘病生活を潤いのあるものにしてくれています。同時に保育士や臨床心理士も子どもたちやご家族に、熱心に関わってくださり、社会・心理面でのサポートも行っています。

 小児科外来は、1階Aブロックにあり、小児外科や新生児内科と同ブースにあるので、協力連携し合って外来診療を行っています。以上のように小児医療センターでは多職種によるチーム医療を心がけています。

 県域の小児医療を円滑に進めるためには、病病・病診連携が重要になってきます。松山圏域の時間外小児救急の一次の多くは急患センター・休日診療所が担っており、二次救急患者を松山赤十字病院、松山市民病院と当科が対応しています。また、松山市の小児の三次救急患者はすべて、高度救命救急センターのある当院が担っています。

 当科にとっての役割として、救急医療が特に重要と考えています。小児救急に関しては、前述したように松山圏域では一次、二次、三次と分かれた合理的医療が根付いており、この連携をうまく維持することが大切です。高度先進医療の多くは、大学を中心として進められますが、当院でもいくつかの領域で高度な専門医療を展開しています。この点で愛媛大学とは専門性を補完あるいは協調しています。また、当院NICUで展開される周産期医療からは多くの子どもたちが巣立ちますが、すべての子どもたちが健全に育っていくために、当院は、地域の中で開業医の先生方と協力して中心的な役割を果たしていかねばなりません。児童虐待の予防と実際の対応は、救急医療の中では避けられない問題であり、愛媛県全体の対策を強化する役割を担っています。

 育ちゆく子どもにかかわるすべての人と連携しながら、県民の拠り所となる病院の一員である自覚を持って、小児医療を展開していきたいと考えています。

児童虐待防止に向けた当院の取り組みについて(クリックしてご覧ください)

対象疾患

 当科は、救急医療を中心に幾つかの専門分野に分かれて高度な医療を展開しています。

 

<血液・腫瘍>

 貧血、血小板減少といった非腫瘍性血液疾患から、白血病などの腫瘍性血液疾患、さらに固形腫瘍(脳腫瘍、リンパ腫、神経芽腫、横紋筋肉腫、腎腫瘍、ランゲルハンス細胞組織球症など)に対する治療を行っております。当科は、日本小児血液・がん学会専門医研修認定施設であり、JCCG(日本小児がん研究グループ)の参加施設で、中国・四国小児がん連携病院の1つであり、白血病・リンパ腫やその他の固形腫瘍の臨床研究にも参加し、積極的に多施設共同臨床試験を行っています。当院は、四国の造血幹細胞移植推進拠点病院であり、骨髄バンク、臍帯血バンクの認定施設です。これまで成人血液内科の協力の下に自家幹細胞移植や同種幹細胞移植を行っておりましたが、現在は小児で造血幹細胞移植が必要な症例は愛媛大学など他施設に紹介させてもらっています。

 小児がんの治療成績の向上に伴い治癒した小児がん経験者が増加しており、治療終了後の身体的・社会心理的な問題の長期フォローアップの重要性が指摘されており、小児がん経験者の円滑な成人期医療移行を積極的に支援していきます。

 

<循環器>

 先天性心疾患、不整脈、心筋炎・心筋症、川崎病の子どもたちの治療や、フォローアップを行っています。また、心雑音・胸痛の精査、学校心電図検診の二次検診、心臓病を持つ子どもたちの日常生活や、学校生活の指導なども行っています。小児期から治療・管理を受けて、成人に至った方についても、引き続きフォローアップを行っています。胸部レントゲン、心電図、心臓超音波検査の他に、症状や、疾患に応じて運動負荷心電図検査(トレッドミル)や、ホルター心電図、造影CT検査、MRI検査、心筋シンチ、肺血流シンチ、心臓カテーテル検査などにより診断・治療方針を決定しています。

 当院は、小児循環器専門医修練施設群になっています。

 

<代謝内分泌>

 糖尿病・肥満、成長障害、甲状腺疾患、性腺疾患、副腎疾患、カルシウム代謝・骨系統疾患、先天代謝異常症などの疾患で、多岐にわたって診療しています。当院は総合周産期母子医療センターを併設しているため、成長障害(低身長、低出生体重児、肥満など)や、新生児マススクリーニングで異常を発見された先天代謝異常症や先天性甲状腺機能低下症、副腎皮質過形成症などの診療を多く行っているのが特徴です。また各医療機関からの紹介の他に、学校糖尿病検診(尿糖陽性)や小児生活習慣病健診からの紹介、新生児マススクリーニング陽性例の精密検査などもあります。2014年からは学校健診で身長・体重成長曲線が活用されるようになり、成長障害の紹介が増えています。これらの患者さんには適切な診断・治療や生活指導を行っており、成長ホルモン分泌不全性低身長症を中心に多くの患者さんに対し成長ホルモン治療を行っています。内分泌代謝疾患は成長と関連することが多く、数年のフォローアップが必要であり、また生涯にわたって治療を続けることもあることから、適切に支援していきます。

 

<神経>

 外来では主にてんかんや痙攣性疾患、発達遅滞などの患者さんが通院されており、他に神経変性疾患、代謝性疾患などの神経難病、ミトコンドリア病などの神経筋疾患などの患者さんが受診されます。

 特に、当院は総合周産期母子医療センターが併設されているため、NICUを退院後、神経学的な問題のある患者さんを引き継いでフォローアップしています。そのため、難治性てんかんなどの入院治療や、様々な障害を持つ脳性まひの患者さんの外来診察を行っています。

 また、高次救急として紹介していただく患者さんが多く、ICUなどで呼吸管理や全身管理を必要とする痙攣重積や急性脳症、意識障害を呈した患者さんの診療にあたっています。

 

<自己免疫疾患、自己炎症性疾患>

 自己免疫疾患(若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデスなど)、血管炎症候群、炎症性腸疾患、自己炎症性疾患などの診断と治療をします。四国で唯一の小児科リウマチ専門医が常任し、県内全域、県外からの患者さんを受け入れ、世界標準の先進的治療を展開し、希少疾患の多施設共同研究にも参加しています。近年の免疫学の発展により生物学的製剤の臨床応用が進み、これらの疾患のQOLが著しく改善しています。安全に強力な病気の治療を徹底することにより、早期に病気が安定し、入院期間を短縮し、運動制限や食事制限も最小限にすることができます。健常な子どもと同じ生活が送れるよう配慮し、子どもの精神的・社会的な発育も促しています。

 

<感染>

 感染症は、小児科医療の多くを占める領域で、当科入院患者の約半分(呼吸器、消化器疾患を含む)を占めています。呼吸器系の感染も多く、人工呼吸管理が必要になり、ICUにて集中管理を行う患者さんもいます。

 

<アレルギー>

 当院では、急性期はアレルギー非専門医も受け持ち医として担当しますが、専門医と相談しながら診療をしていきます。また、外来や慢性化している患者さんに対しては、アレルギーを専門とする医師が診療し、喘息の年長児に対しては気道過敏性試験や呼吸機能検査を行い、乳幼児の食物アレルギーに対しては外来、入院での食物負荷試験をすすめていきます。

 

 小児期の他の分野の疾患も、愛媛大学小児科を中心に診療応援をしていただき、対応しています。

外来担当表

小児科

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前

山本 英一

桑原 こずえ

中野 直子

河上 早苗

中野 威史

井上 真依子

石田 也寸志

三浦 博充

平井 洋生

疋田 真貴

午後  

 

     

 

小児アレルギー

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後  

岡本 典子

(第2・3・4)

  小泉 宗光  

 

血液

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後 河上 早苗 石田 也寸志   井上 真依子  

 

内分泌

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後 平井洋生

 

平井 洋生    

 

神経

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後  

桑原 こずえ

三浦 博充(第1・3)

元木 崇裕(第2・4)

桑原 こずえ

(第2・4)

三浦 博充

 

循環器

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前        

山本 英一

中野 威史

午後    

 

山本 英一

中野 威史

 

腎臓膠原病

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後 中野 直子   山本 英一

長谷 幸治

(第1・3)

中野 直子

 

がんに関する情報

児童虐待防止に向けた当院の取り組みについて

 当院は、愛媛県が進めている「児童虐待防止医療ネットワーク」の構築に協力しています。児童虐待の相談件数は年々増加しており、深刻な社会問題となっていることを受け、2010年から当院でも専門の委員会を立ち上げ、早期対応を図っております。

 愛媛県児童虐待防止医療ネットワーク機構から、以下の4つの課題が義務付けられました。

1.児童虐待専門コーディネートチームの設置

2.他医療機関からの相談への対応(相談・助言事業)

3.虐待対応向上のための教育研修(教育研修事業)

4.児童虐待対応体制の整備運営(対応・整備事業)

 地域におけるネットワークを作り、いち早く児童虐待の発見と児童相談所、保健所などと連携を取れるよう環境整備を行っております。

施設認定

日本小児科学会専門医研修支援施設

日本小児循環器学会小児循環器専門医修練施設

日本アレルギー学会アレルギー専門医教育研修施設

日本小児血液・がん学会専門医研修施設