小児科

診療科の紹介・特色

山本医師

主任部長

山本 英一

 当院小児科は愛媛県の小児医療を担っており、同時に臨床研修病院として将来の小児医療を担う人材を育成していく責任も負っています。

 小児病棟は新病院5階に38床を持ち、年間約1,300名の子どもたちが入院します。小児科以外にも小児外科をはじめ、脳外科、形成外科、耳鼻科などの子どもたちも当病棟に入院され、小児専門病棟となっており、小児疾患に対していろいろ相談できやすい環境にあります。急性疾患の患者さんが多いため、平均在院日数は9.4日ですが、長期入院を余儀なくされる子どもたちもいますので、院内学級を併設しています。学級での勉強以外に、愉快なクラウンさんたちの病棟訪問や、節分の豆まきやクリスマス等四季折々の催し物は、闘病生活を潤いのあるものにしてくれます。同時に院内保育士や臨床心理士も子どもたちやご家族に関わっています。小児科外来は新病院1階Aセクションにあり、小児外科や新生児科の外来と協力連携して行っています。

 県域の医療を円滑に進めるためには、院内の各診療科や職種との連携だけでなく、病診連携が重要です。松山圏域の小児救急は1次の多くは急患センターが担っており、2次患者を松山赤十字病院、松山市民病院と当院小児科が対応しています。小児科医からの紹介がほとんどで、時間外受診の56%が入院しています。また、松山市の小児の3次患者は、救命センターのある当院が担っています。

 近年問題になっている小児救急や、子どもたちを如何に健全に育てるかというテーマは、現行の小児医療の質を問うだけでなく将来の担い手をいかに育てていくかの問いでもあります。その意味では愛媛大学と協力体制を保ちながら、将来を見据えた小児医療を展開していく必要があります。そのために掲げる柱は、救急、専門性、療育/保健です。

 小児救急に関しては、松山圏域では1次、2次、3次と分かれた合理的医療が根付いており、この連携をうまく進めること、またそれを担う小児科医の養成を継続していくことが肝要です。領域別専門医療は、多くは大学を中心として進められますが、愛媛県小児医療の最終病院として当院では幾つかの領域で高度な専門医療を展開しています。この点でも愛媛大学と専門性を補完あるいは協調していく必要があります。また、療育及び小児保健の領域は小児医療の中でも大きな分野です。

 NICUで展開される周産期医療からは療育を必要とする子供たちが多く巣立ちますが、障害の有無にかかわらずすべての子どもたちを健全に育てていくために、小児科医は地域の中で役割を果たしていかねばなりません。 医療は「人」です。育ちゆく子どもに関わる全ての人と連携しながら小児医療を展開していきたいと考えています。

対象疾患名

 当院小児科は幾つかの専門分野に分かれて高度な医療を展開しています。今年度は、神経、代謝内分泌、膠原病・腎臓に関しては、愛媛大学より応援医師を派遣してもらい、診療にあたっています。

<血液・腫瘍>

 貧血、血小板減少といった非腫瘍性血液疾患から、白血病などの腫瘍性血液疾患、さらに固形腫瘍(リンパ腫、横紋筋肉腫、Wilms腫瘍、ランゲルハンス細胞組織球症など)に対する治療を行っております。当科は日本小児白血病・リンパ腫研究グループJPLSG (Japanese Pediatric Leukemia/Lymphoma Study Group)、日本横紋筋肉腫研究グループJRSG(Japan Rhabdomyosarcoma Study Group)等への参加施設であり、多施設共同で臨床試験を行っています。難治性の疾患に対しては、平成11年から造血幹細胞移植を実施しています。当院は、中四国有数の骨髄バンク、臍帯血バンクの認定施設でもあり、成人血液腫瘍科の協力の下で、自家幹細胞移植や同種幹細胞移植も行っております。平成22年度末までに23例の移植を実施し、17例が生存中です。

 小児がんの治療成績の向上に伴い治癒の期待される小児がん経験者が増加しており、治療終了後の身体的・社会心理的な問題の長期フォローアップの重要性が指摘され、小児がん経験者の円滑な成人期移行を積極的に支援していきます。

<循環器>

 先天性心疾患(心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、肺動脈弁狭窄症、ファロー四徴症など)、不整脈、心筋炎・心筋症、川崎病のお子さんたちの治療や、フォローアップを行っています。また、心雑音・胸痛の精査、学校心電図検診の二次検診、心臓病をもつお子さんたちの日常生活や、学校生活の指導なども行っています。小児期から治療・管理を受けて、成人に至った方についても、引き続きフォローアップを行っています。胸部レントゲン、心電図、心臓超音波検査の他に、症状や、疾患に応じて運動負荷心電図検査(トレッドミル)や、ホルター心電図、造影CT検査、MRI検査、心筋シンチ、肺血流シンチ、心臓カテーテル検査などにより診断・治療方針を決定しています。

<アレルギー>

 アレルギー疾患は、小児期に有病率が高く、ありふれた疾患であるように思われがちです。しかし、アレルギー疾患に関しては、新たな研究のもと最新の治療法が検討されています。そのため非専門の小児科医がそれなりに経験的に対応していくだけではすまない時代になってきています。当院では、急性期はアレルギー非専門医も受け持ち医として担当しますが、適宜専門医と相談しながら診療をしていきます。また外来や慢性化している患者さんに対しては、アレルギーを専門とする医師が診療し喘息の年長児に対しては気道過敏性試験や呼吸機能検査を行い、乳幼児の食物アレルギーに対しては外来、入院での食物負荷試験をすすめていきます。

<神経>

 小児神経全般の疾患を対象に外来と入院患者さんの診断と治療に当たっています。神経専門外来では主にてんかんや痙攣性疾患、発達遅滞などの患者さんが通院されており、他に神経変性疾患、代謝性疾患等の神経難病、ミトコンドリア病などの神経筋疾患、自閉症、注意欠陥・多動性疾患、学習障害などの発達障害の患者さんが受診されます。 当科の小児神経に対する診療の特徴は;  (1)総合周産期母子医療センターが併設されているため、NICUを退院後、染色体異常症や脳性まひなど神経学的な問題のある患者さんを引き継いでフォローアップします。そのため、症候性West症候群や難治性てんかんなどの入院治療や、さまざまな障害を持つ脳性麻痺の患者さんの外来での診察を行っています。  (2)当院では救命救急センターがあるため、高次救急を受診される患者さんが多く、ICU等で呼吸管理や全身管理を必要とする痙攣重積や意識障害を呈する患者さんが多いです。  (3)当院では四国で有数のPET センターがあり、FDG-PET検査や脳受容体SPECTを活用したてんかん焦点や脳腫瘍などの疾患に対応しています。

<腎臓>

 ネフローゼ症候群やIgA腎症を代表とする腎疾患や泌尿器系の疾患を対象にした診療を行っています。2011年の入院患者のうち約3%が腎疾患で、頻度は多くはありませんが、一度入院すると長期にわたるため、院内学級を活用して治療が行われます。小さな子供に対する腎生検はできる限り避けたいと考えていますが、必要に応じて腎生検を施行し、組織診断に基づいた治療を原則としています。

<代謝・内分泌>

 愛媛大学小児科の内分泌専門医(平井医師)の協力で外来診療を中心に診療しています。総合周産期母子医療センターを併設しているため、新生児マススクリーニング検査で異常を発見された先天性甲状腺機能低下症や副腎皮質過形成の治療を数多く行っています。また低身長に対する検査や成長ホルモン治療も積極的に行っており、松山市内の診療所から多くの紹介を受けています。この他、思春期早発症や性腺機能低下症に対する治療も行っております。さらにI型糖尿病や甲状腺機能亢進症、近年小児科でも増加傾向にある2型糖尿病・肥満症・脂質異常症・夜尿症など取り扱う疾患は多岐にわたり、急性期から慢性期まで専門的に治療を行っております。

<感染症>

 感染症は小児科の医療の多くを占める領域で、当科入院患者の約60%を占めています。呼吸器系の感染も多く、呼吸管理が必要になり、ICUにて集中管理になる患者さんもいます。感染は子どもたちの免疫状態とのバランスで成立します。したがって常に免疫の状況と感染の程度の両方を見ながら治療を考える必要があります。膠原病等の自己免疫疾患やアレルギーはその延長線上にあり、これらの疾患に関しては愛媛大学小児科専門医(中野医師)に外来診療をお願いしています。

外来担当表

小児科

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前

山本 英一

河本 敦

德田 桐子

地行 健二

中野 威史

吉田 安友子

石田 也寸志

伊藤 正範

平井 洋生

桑原 こずえ

午後  

 

     

 

小児アレルギー

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後  

吉田 安友子

 

小泉 宗光

楠目 和代

(第2・4週)

 

 

血液

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後

石田 也寸志

德田 桐子

     

 

内分泌

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後

平井 洋生

 

平井 洋生

   

 

神経

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後

桑原 こずえ

 

伊藤 正範

(第1・3週)

元木 崇裕

(第2・4週)

 

伊藤 正範

 

循環器

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前        

山本 英一

中野 威史

河本 敦

午後    

 

山本 英一

中野 威史

河本 敦

山本 英一

中野 威史

河本 敦

 

腎臓膠原病

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前          
午後    

山本 英一

長谷 幸治(第1週)

林 正俊(第3週)

中野 直子

(第3週)

 

施設認定

日本小児科学会専門医研修支援施設

日本小児循環器学会小児循環器専門医修練施設

日本アレルギー学会アレルギー専門医教育研修施設(小児科・呼吸器内科)

日本小児血液・がん学会専門医研修施設