院長あいさつ

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愛媛県立今治病院バージョンアップ

能登半島地震から始まった今年も早や半年が過ぎました。改めて被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。一刻も早い復興を祈念しております。

発災後間もなく、愛媛県DMAT(災害派遣医療チーム)隊第一陣として、災害拠点病院である当院からも伊藤英太郎外科部長を隊長とする4 名構成のチームが現地に赴き、病院支援、避難所支援に従事しました。真冬の寒さや積雪に加え断水など厳しい状況の中、支援病院に泊まり込みでの活動は、当院チームにとってこれまでで最も過酷であったと言えますが、しっかりと任務を果たすことができたと思います。今後も院内のDMAT や災害対策委員会を中心に、公的病院の役割の一つである災害医療の充実に努めて参りたいと考えております。

さて、表題にある「県立今治病院バージョンアップ」ですが、これは新病院建替えに向けて必須と考えています。昨年度、当院の老朽化対策として移転・新築の方針が決まりましたが、建替えまでに新病院の目指す機能に合わせて、現病院で可能なバージョンアップに取り組む必要があります。国が示している2040 年を展望した医療提供体制に十分対応できるように医療の三位一体改革、すなわち、地域医療構想、医師・医療従事者の働き方改革、実効性のある医師偏在対策を考慮した病院作りが必要です。既に現病院での最初のバージョンアップ(Ver.2.1)は進行中です。

最初のバージョンアップは紹介受診重点医療機関になった事です。紹介受診重点医療機関の役割は、かかりつけ医からの紹介を受けて適切に診断する事、診断の結果、治療が必要な方には標準的で良質な医療を提供する事、そして状態が落ち着けばかかりつけ医に逆紹介する事です。この1 年間で急性期症例も含め、紹介患者数は徐々に増えてきております。患者の皆様には「県病院に紹介してもらってよかった」、医療機関の方には「県病院に紹介してよかった」とのお声をいただけるよう、紹介受診重点医療機関としての機能を高めていきたいと考えています。また、紹介患者をスムーズに受け入れるために、当院に通院中の慢性期の方々のかかりつけ医への逆紹介も進めています。引き続き当院のバージョンアップへのご協力をお願いいたします。

結びになりますが、今後も持続可能な今治圏域の医療体制を構築するために、県立今治病院では様々なバージョンアップを予定しております。そのためには今治圏域の住民の皆様、医療機関の皆様のご理解が欠かせません。移転・新築する新病院に向けた大きなバージョンアップを成功させるためにも、ぜひともご支援をよろしくお願いいたします。

令和6年8月
愛媛県立今治病院 病院長 川上秀生

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