移植拠点病院とは


我々の病院、愛媛県立中央病院は、平成27年8月に厚生労働省造血幹細胞移植医療体制整備事業の四国ブロック拠点病院に認定されました。この事業は、国の法律に基づく事業であり、全国の移植医療体制の均てん化を目的としております。四国ブロックは全国の中でも最も人口が少なく、移植数も少ない地域です。しかしながら、地域の血液疾患患者さんにとっては地域で完結する治療を望んでおり、我々は、地域でも都会と変わらない移植医療を提供する必要性があります。 四国の移植医療は、以前に比べると進歩してきていますが、都会の病院に比べて、まだまだ劣るところがあります。四国の血液内科医、移植医の人数は少なく、血液疾患患者を救いたいという情熱だけで頑張っているところが大半です。

各施設に本事業に対する要望について、アンケート調査をおこなったところ、医師以外の職種が勉強できる場や情報交換できる場を作ってほしいという御意見を一番多く頂きました。医師不足を補うには、多職種の連携が鍵となります。このアンケート結果を受けて、この事業で行うセミナーでは、主に医師以外の職種に対しての研修を開催し、それぞれの職種が自分の役割を理解し、みんなの力で移植患者さんをサポートし、最終的には「移植患者のQOLを日本一向上させる」地域を目指していきたいと考えています。また、このセミナーでは「移植医療の未来を四国から考える」をスローガンに掲げました。四国から全国に発信できるアイディアが生みだされ、将来的に全国のモデルとなるものが生まれてくればと考えております。
第1回セミナーを平成28年2月20日に開催しました。100人をこえる四国内外の移植に関わる多職種のスタッフに参加していただき、チーム医療、感染管理、栄養管理について学びました。講演の後には、多職種グループで討論を行い、その後の職種別での討論でも多くの意見交換を行う事が出来ました。本研修会は四国の移植医療の質向上への道の第一歩であり、これからもできるだけ継続して開催し、積極的な交流を通して、それぞれの施設の改善につなげる事ができたらと思っております。今後も、四国の移植施設、患者さんのご意見を聞きながら、よりよい移植医療を行っていけるように事業を進めていきたいと考えております。ご意見がありましたら、何なりとご連絡してください。何卒よろしくお願いします。

造血幹細胞移植推進拠点病院についてご紹介します。
造⾎幹細胞移植医療体制整備事業の取り組みについてご紹介します。