平成30年度 愛媛県立今治病院 病院指標

心筋梗塞は、命にかかわる重篤な病気であり、発症前に未然に防ぐことが重要です。当院では、外来にて心臓CTや心臓MRIといった検査を用いることで発症前の診断及び治療に努めております。冠動脈に狭窄が疑われた場合は、2泊3日の入院でカテーテルによる精査を行い治療方針を検討していきます。また、心不全治療においては、医師のみならず、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士も治療に参加してもらい、包括的に治療ならびに再発予防に取り組んでおります。

診断群分類別では総胆管結石の内視鏡治療、小腸・大腸癌の内視鏡治療、膵炎の治療が上位になっています。

非ホジキンリンパ腫に関する入院が多数を占めます。当該治療は病状や年齢、健康状態、ご家族を含めた希望など総合的に検討し、化学療法の開始などの治療方針を決定します。

糖尿病内科の入院は原則地域包括ケア病棟に入院していただいており、糖尿病の教育入院が中心です。この集計では、厚生労働省が定めた集計・公開条件により、地域包括ケア病棟にのみ入院された患者さんが集計の対象外となっています。

診断群分類別ではパーキンソン病、ニューロパチー、てんかんの内科的治療が上位になっています。

今治圏域の小児医療の拠点病院として、開業医の先生方や初期救急医療機関からのご紹介や重症患者の転送依頼について、24時間対応を行っています。地域周産期母子医療センターとしてNICU(新生児集中治療管理室）を設置し、新生児の入院対応も24時間行っています。またアレルギー・神経・循環器などの専門医療を、愛媛大学や県立中央病院などの高次機能病院と連携して行っています。

消化器外科およびヘルニア、乳腺、甲状腺など体表外科を中心に診療しています。地域の中核病院として、近隣医療機関からの救急患者の受け入れ、救急診療を担っており、急性胆のう炎や急性虫垂炎など救急疾患症例が多くなっています。

高齢者の転倒等による大腿骨および上腕骨近位端骨折が最大の手術件数となっています。当院では、地域連携パスを使用し、9割の患者さんが転院後連携病院でのリハビリテーションを行っています。また、下肢人工関節も3週間の入院で自力歩行退院となっており、在院日数の短縮を実現しています。

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの急性期脳血管障害を中心に入院治療を行っています。また、頭部外傷急性期の出血、脳損傷に対する治療、頭部外傷慢性期の硬膜下血腫に対する手術治療も行っています。急性期治療のあと、さらなるリハビリが必要な方には、地域医療連携室を通じた回復期リハビリ病院などへの紹介・転院にも対応しております。

皮膚科の入院は原則地域包括ケア病棟に入院していただいております。この集計では、厚生労働省が定めた集計・公開条件により、地域包括ケア病棟にのみ入院された患者さんが集計の対象外となっています。

泌尿器科での入院を要する疾患で最も多いのは膀胱がんで、経尿道的手術を行ったケース、化学療法や、膀胱内注入療法を行ったケースが中心です。次いで、尿路結石の除去術を行ったケースや、透析患者さんが入院を要する状態になったケース、シャントの作成術を行ったケースが続きます。いずれの場合も10日前後の入院期間となっております。

地域周産期センターのためハイリスク妊婦を主に受け入れており、昨年度の分娩件数は400件でした。なお、厚生労働省が定めた集計・公開条件により、この集計では医科保険診療外の診療を一部でも行った患者さん（自費診療を伴う分娩、帝王切開など）が集計の対象外となっています。

耳鼻咽喉科の入院は、小児以外は原則地域包括ケア病棟に入院していただいていますが、厚生労働省が定めた集計・公開条件により、この集計では地域包括ケア病棟にのみ入院された患者さんが集計の対象外となっています。
なお、地域包括ケア病棟を含めた「MDC6」別入院件数のTOP５は次のとおりです。
　１　慢性副鼻腔炎　030350（42件）
　２　扁桃、アデノイドの慢性疾患　030230（27件）
　３　扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎　030240（21件）
　４　突発性難聴　030428（17件）
　５　顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む)　 160200（9件）

当院には愛媛県内に２床しかない甲状腺癌に対する放射性ヨウ素内用療法のための病室が１床あります。分化型甲状腺癌の放射性ヨウ素内用療法を行っています。主治医からご紹介いただき、治療終了後は主治医の元に帰っていただきます。治療ご希望の方は主治医から地域連携室を通してご連絡下さい。

冠動脈のみでなく、下肢動脈などの末梢血管の狭窄に対してもカテーテル治療を行っており、基本的に3泊4日の入院で治療を行います。急性心筋梗塞に対しては、日本循環器学会のガイドラインに従い、発症１２時間以内に来院された場合は基本的には緊急カテーテル治療を行っています。カテーテル治療後は早期退院に向けて医師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、看護師等による包括的心臓リハビリテーションを行い、早期退院、再発予防ができるよう努めています。

主要手術別では、大腸ポリープに対する内視鏡的切除術、総胆管結石・胆管狭窄に対する内視鏡治療が上位になっています。

年間数例ではありますが、当科入院中であっても、入院中他科受診をしていただき、手術を行うこともあります。

年間数例ではありますが、当科入院中であっても、入院中他科受診をしていただき、手術を行うこともあります。

上気道感染症にて入院された場合、急性中耳炎を合併して耳鼻咽喉科にコンサルトし鼓膜切開術を施行して頂くことがあります。また超音波検査等で腸重積症を診断した場合、放射線にコンサルトし造影剤を用いた非観血的修復法(高圧浣腸整復）を速やかに実施しております。

腹腔鏡手術を積極的に取り入れています。胆嚢摘出術では60例中59例、鼠経ヘルニア修復術では39例中26例、虫垂切除術では37例中35例などでした。その他、結腸直腸切除術、胃切除術などにも腹腔鏡手術を取り入れています。

高齢者の患者様が多いため骨折観血的手術が大半を占めており、統計的にもこれらの手術が上位になっています。
当院では、特に肩関節の鏡視下手術による腱板縫合術を数多く施術しています。変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性肩関節症に対しては人工関節置換術を施行し患者様のQOLの向上を目指しております。

頭部外傷後慢性期（通常　1～2ヶ月後）に頭蓋骨内側の膜（硬膜）と脳との間に血腫がたまる、慢性硬膜下血腫に対する手術を行っています。くも膜下出血の原因である脳動脈瘤に対して、脳動脈瘤の形態に応じ、手術顕微鏡を用いた開頭術によるクリッピング術や血管内手術による脳動脈瘤のコイル塞栓術を行っております。脳脊髄液の通過、吸収障害による水頭症にたいしてはドレナージ術やシャント術を行っております。　超急性期脳梗塞にたいする、ｔPA（注射薬）による血栓溶解、また血管内手術による経皮的血栓回収術にも取り組んでいます。脳卒中や外傷による頭蓋内出血に対し、開頭血腫除去術も行っております。 緊急手術に対して迅速に対応できる体制を構築しております。

膀胱がんの内視鏡手術が多く、次いで、尿路結石に対するレーザー砕石、透析のためのシャント造設手術が多くなっております。内視鏡下の腎（尿管）悪性腫瘍手術は、腹腔鏡で行う手術で、最近では腎がんに対しては、部分切除術を行い、腎機能を温存することがほとんどで、侵襲も少なく、入院期間も約１週間です。内視鏡手術は3泊4日で行っております。

昨年度の手術件数は365件で、地域周産期センターであるため帝王切開が153件と多数を占めていますが、DPC統計の性質上、婦人科手術のみの統計になっています。良性卵巣手術などの良性疾患には積極的に腹腔鏡手術を取り入れています。

当院には麻酔科、小児科があるため、近隣の耳鼻科より手術目的の紹介が多くなっています。中でも、鼻内副鼻腔手術には力を入れており、難治性アレルギー性鼻炎に対する経鼻腔的翼突管神経切除術(後鼻神経切断術)も積極的に行っています。
なお、厚生労働省が定めた集計・公開条件により、この集計では地域包括ケア病棟にのみ入院された患者さんが集計の対象外となっていますが、地域包括ケア病棟を含めた手術件数のTOP５は次のとおりです。
　１　口蓋扁桃手術(摘出)　K3772　(34件）
　１　内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)　K340-5　（34件）
　３　内視鏡下鼻中隔手術1型(骨、軟骨手術)　K347-3　（20件）
　４　内視鏡下鼻腔手術1型(下鼻甲介手術)　K347-5　（13件）
　５　内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)　K340-6　（11件）
また、経常顎洞的翼突管神経切除術（後鼻神経切断術）を12件施行し、外来手術を含め、先天性耳痩菅嫡出術を３件、他科依頼の気管切開を２件行っています。