検査部病理検査

業務概要

病理組織検査

内視鏡検査などで胃や大腸から採取した組織の一部や、手術で摘出した臓器をさまざまな行程で処理し、臨床検査技師が作製した組織標本を病理医が顕微鏡で観察して診断します。悪性腫瘍や炎症像などの病理学的判断を行うのが病理組織検査です。

胃の組織
胃の組織
胃癌の組織
胃癌の組織

術中迅速検査

クリオスタット

手術中に、病変部が良性か悪性かを判断したり、病変部が取りきれているか切除断端を判定したり、またリンパ節に転移がないかどうかなどの確認をするために行う検査です。この結果により、追加切除や術式が決定されます。

クリオスタット庫内

提出された組織材料を凍結し、クリオスタットという機器を用いて標本を作製します。その後、迅速にHE染色を行い、病理医が標本を顕微鏡で観察して、電話で手術室に診断結果を報告しています。検体が提出されてから結果報告までにかかる時間は20~30分程度です。

クリオスタット
クリオスタット
クリオスタット庫内
クリオスタット庫内

免疫組織化学検査

通常はヘマトキシリン・エオジン(HE)染色で診断されますが、それだけでは確定診断できない場合があります。そのような時に、目的に応じて抗原抗体反応を利用した免疫染色を行っています。また、癌の治療方針を決定するための重要な検査ともなります。

胃癌の肝転移巣
胃癌の肝転移巣
胃癌の免疫染色(HER2)
胃癌の免疫染色(HER2)

細胞診検査

尿、痰、腹水中などに剥がれ落ちた細胞や、癌などの病変から注射器で吸引し直接採取した細胞を、スライドガラスに薄く塗りつけ染色し細胞診標本を作製します。その細胞診標本を顕微鏡で観察するのが細胞診検査です。細胞検査士が標本中のがん細胞や異常な細胞を見つけ、細胞診専門医と共に最終判定を行います。

尿中の正常細胞
尿中の正常細胞
尿中の膀胱がん細胞
尿中の膀胱がん細胞

病理解剖

不幸にして亡くなられた御家族の承諾が得られた場合に病理解剖を行います。全身について系統的に検索することによって、病気の本態を明らかにして、死因、合併症、治療方法の適否、治療効果について検討します。

環境への取り組み

作業環境

ホルマリン、キシレン等を使用していますが、適正な作業環境を維持しています。

ホルマリン

特定化学物質障害予防規則に遵守し、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した特定化学物質作業主任者を選任し、厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従って適正な作業環境を維持しています。6ヶ月に1回、外部業者による作業環境測定を実施しています。

クリアプラス、アセトン、メタノール

有機溶剤中毒予防規則に遵守し、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した有機溶剤作業主任者を選任し、厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従って適正な作業環境を維持しています。6ヶ月に1回、外部業者による作業環境測定を実施しています。

廃液処理

ホルマリン、クリアプラス、アルコール、染色液を適正に処理しています。
固定や染色工程で発生した廃液は、下水へ流すことなく全て外部業者によって回収され適正に処理されています。

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