更新日:2023年5月16日

改善推進本部

改善推進本部の体制

改善推進本部は、新病院整備に併せて、当院の理念である「県民の安心の拠り所となる病院であること」を実現するために、医療の質向上を目的として2012年1月に設立されました。

院長・看護部長・事務局長を含めたTQM委員会で改善活動の戦略を定め、改善推進本部が院内各部門で取り組む改善活動を推進、支援します。この改善活動を進めるにあたってTQM(Total Quality Management)という考え方を取り入れました。本部にはトップダウンの活動を牽引するクオリティマネジメント室(QM室)とボトムアップの活動を支援する改善推進室(KP室)があり、両者が院内の各部門と協力しながら当院の質管理を担っています。

改善推進本部の体制

改善推進室(KP室)

KP室は、ボトムアップの活動を支援するために1.「TQMサークル活動」、2.「カイゼンラウンド」、3.「ワンポイント改善」などを行っています。特にTQMサークル活動を円滑に進めるために、教育・指導、標準化、広報の3つの専門部会を設けて活動の活性化を図っています。

  • 教育・指導部会
    ワークショップの運営、サークルへの教育・指導
  • 標準化部会
    標準化と管理の定着の支援、院内への水平展開
  • 広報部会
    関連行事ポスター、改善通信新聞など各種広報資料の作成

クオリティマネジメント室(QM室)

QM室は、トップダウンで当院の「医療の質」向上を図るため、1.内部監査システムの構築(「質改善公開カンファレンス」の実施)、2.病院機能評価など外部評価への対応、3.その他重要課題への対応などを行っています。QM室には4つの専門部会があり、また必要に応じてプロジェクトチーム(PJT)を編成し活動しています。

  • QI管理部会
    当院の医療の質指標(QI)測定と公表、QIを用いた質改善活動、患者および職員満足度調査の分析と活用
  • 文書管理部会
    院内文書の一元管理と定期的な改訂の仕組みづくり
  • 医薬品安全管理部会
    医薬品の安全な管理に関する検討
  • チーム医療推進PJT
    チーム医療を円滑に推進するための様々な課題検討

改善活動の全体像

改善活動の全体像

改善活動の全体像

改善活動とは

改善活動とは

私たちは改善活動を「病院全体で、継続的に医療の質向上を図る取り組み」と定義しました。これを「県民との約束」と位置付け、病院を挙げて最優先で取り組みます。

単なる業務改善に止まらず、診療をはじめとする病院内の全ての「ひと・もの・しくみ」を改善の対象とし、より良い医療の質を目指し続けます。そのためには、職員一人一人が改善活動に取り組むこと、すなわち常に「改善」の意識を持ち、自ら考え行動できることが重要です。

職員に対する教育・研修や意識改革をしっかり行って、職員が成長することにより医療の質の向上も図れると考えています。そして「質の高い医療」が提供できることにより、地域社会に貢献でき、そのことが職員の幸福(自己実現)とさらなる成長をもたらします。この三つが、お互いに影響しあって、良いサイクルが回ることにより理念の実現に近づいてゆくと考えています。

当院の改善活動は院外からも注目され、2019年9月には独立行政法人国際協力機構(JICA)のプロジェクトとして、アジア・アフリカ17か国からの研修員を受け入れました。

改善活動の理念と基本指針

理念:「病院が自ら進化し続ける組織となること」
基本方針:"All for the Patients!!"
この基本方針には次の2つの意味が含まれています。
1「すべては患者さんのために」:患者さん第一、常に患者さん中心の医療を心がけます
2「みんなで患者さんのために」:職員全員が協力して、チーム医療を積極的に推進します

TQMとは

Total Quality Management(総合的質管理)の略です。古くから産業界で取り入れられているQC(品質管理活動)から発展した「組織全体で医療やサービスの質を継続的に向上させるための管理手法」のことです。

トップダウンによるマネジメント(上位方針を職場の隅々まで展開・浸透させるための方針管理活動)と自主的なボトムアップの活動(現場の判断による、業務上の問題解決や課題達成に取り組む改善活動)の両輪が揃って有効に機能すると考えられています。

質改善公開カンファレンスとは

2015年から行ってきた内部監査システムとしてのケアプロセス監査をより深化させた「院内ケアプロセス監査」と、監査結果に基づく診療科改善進捗報告やQM室専門部会やPJTの活動報告を行う「改善活動報告会」を毎月交互に開催しています。

「院内ケアプロセス監査」では、病棟単位で監査対象症例を独自に選定し、多職種が参画し、その症例の診療内容、診療録、看護記録について監査・確認し、医療安全、感染制御、QI、カイゼンラウンドなど様々な観点からも監査を行い、医療の質向上を目指しています。

TQMサークル活動について

TQMサークル活動とは

QC手法を用いて、改善の手順を踏みながら、職場の問題を合理的・科学的・効率的・効果的に改善する小集団活動です。当院ではこの小集団活動のことを「TQMサークル活動」と名付けています。
職場の問題解決に取り組みながら、質改善の考え方や手法を学ぶだけでなく、そのプロセスの中で、人"財"育成やコミュニケーション能力、リーダーシップの向上などを育むことも大きな目的の一つです。

TQMサークル活動の目的

『職場の問題解決に取り組みながら、質改善の考え方や手法を学ぶ』
そのプロセスの中で、コミュニケーション能力やリーダーシップの向上などを育み、改善できる"人財"を育成することが大きな目的です。

これまでのサークル活動

院内発表大会 エントリーサークル数と人数
第11回TQMサークル活動(2022年度) 11サークル 79名
第10回TQMサークル活動(2021年度) 14サークル 94名
第9回TQMサークル活動(2020年度) 5サークル 36名
第8回TQMサークル活動(2019年度) 5サークル 31名
第7回TQMサークル活動(2018年度) 10サークル 72名
第6回TQMサークル活動(2017年度) 12サークル 82名
第5回TQMサークル活動(2016年度) 17サークル 106名
第4回TQMサークル活動(2015年度) 13サークル 85名
第3回TQMサークル活動(2014年度) 12サークル 76名
第2回TQMサークル活動(2013年度) 18サークル 121名
第1回TQMサークル活動(2012年度) 10サークル 67名

院外での受賞歴

受賞 部署名 テーマ

第22回医療の改善活動全国大会

(2021年 大阪)

手術部 泌尿器ロボット手術における入れ替え時間の短縮

第22回医療の改善活動全国大会

(2021年 大阪)

手術部 手術室における始業前準備時間の短縮
QCサークル石川馨賞奨励賞
(2019年 沖縄)
5階NICU 新生児病棟における内服インシデント件数の低減
第21回医療の改善活動全国大会
(2019年 仙台)優秀賞
創傷ケア委員会 NPPVマスクによるMDRPU発生件数の低減
6030回QCサークル全国大会
(2018年 松山)感動賞
5階NICU 新生児病棟における内服インシデント件数の低減
第20回医療の改善活動全国大会
(2018年 北九州)優秀賞
5階NICU 新生児病棟における内服インシデント報告件数の低減
第19回医療の改善活動全国大会
(2017年 松山)優秀賞
救命HCU WISH~私たちは胃管の事故抜去を少しでも減らし隊~
第18回医療の改善活動全国大会
(2016年 倉敷)優秀賞
6階西病棟 6西そうしょう!創傷大作戦
第18回医療の改善活動全国大会
(2016年 倉敷)優秀賞
検査部 生化学検査における検査時間の短縮
第17回医療の改善活動全国大会
(2015年 伊勢)優秀賞
9階西病棟
リハビリテーション部
誤嚥にご縁ナシ!
第17回医療の改善活動全国大会
(2015年 伊勢)優秀賞
総務医事課 管理棟における電気使用量の削減
~みんなで実践する省エネ~

サークルへの支援

サークルへの支援

TQMワークショップ

当院のワークショップは、グループワーク、講義、個別アドバイスの3つを基本として構成し、月2回程度開催しています。KP室が中心となり、過去の事例を用いて当院が作成した「TQMサークル活動の手引き」の補足説明を行っています。各サークルにはKP室から担当者を付け、個別の相談に応じており、また、特別講師として大西正志先生(前愛媛大学法文学部教授)をお招きし、全体に向けた講義や個別のアドバイスをいただいています。

また、QC指導士の育成も行っており14名(2022年4月現在)の指導士が誕生しています。当院のサークルは2015年から6年連続で「医療の改善活動」全国大会で優秀賞を受賞しており、QCサークル誌にもその活動が取り上げられています。
2017年には当院が大会長病院となり、「医療の改善活動」全国大会in松山(第19回)を四国で初めて開催しました。

さらに2019年12月には、NICU・GCUの活動が評価され、日本科学技術連盟から「石川馨賞 奨励賞」(特色ある活動を進め、改善活動の普及・発展と活性化に貢献したサークルに贈られる)が授与されました。

カイゼンラウンドについて

当院では、2013年1月より5Sラウンドを開始し、「カイゼンラウンド」として継続しています。多職種(医師、看護師、事務職員、薬剤師、検査技師、PFI事業者)でラウンドチームを結成し、院内全部署を年1回訪問しています。
2021年4月には「カイゼンラウンド標準集(改訂第2版)」を作成しました。ラウンド時や各部署での5Sや改善活動、病院機能評価に役立てています。

ラウンドの目的

『現場の優れた取り組みを見出すとともに、改善を要する問題点を拾い上げる』
2020年度からは、過去のTQMサークル活動や後述のワンポイント改善の現状についても確認しています。

ラウンドの方法

  • 3チーム体制で月2回実施する
  • あらかじめ、カイゼンラウンドチェック項目表(病院機能評価項目に準ずる)を作成し、各部署に公表し自己評価を行う
  • カイゼンラウンドチェック項目表のチェック項目に沿って現場で確認・評価する
  • ラウンド結果(カイゼンラウンドチェック項目表と写真)を各部署へフィードバックする
  • 優れた取り組みを院内全体に紹介する
  • 部署内で解決できない問題点は、KP室が中心となって対応する
カイゼンラウンド
カイゼンラウンド

ワンポイント改善について

ワンポイント改善とは

当院では、TQMサークル活動だけでなく、病院全体に改善の風土を作り上げるため、院内各部署で実施してきた身近な改善事例を募集、表彰しています。
ワンポイント改善は、『いつでも、誰でも、どこでもできる』を合言葉に、全職員が自由に取り組める活動で、身近な問題を解決することに向いています。一方、大きなテーマを解決したり新たな課題を達成するにはTQMサークル活動が適しています。

これまでの発表事例

事例 事例数
第13回(2022年度後期) 24事例
第12回(2022年度前期) 18事例
第11回(2021年度後期) 29事例
第10回(2021年度前期) 27事例
第9回(2020年度後期) 25事例
第8回(2020年度前期) 21事例
第7回(2019年度後期) 21事例
第6回(2019年度前期) 9事例
第5回(2018年度後期) 44事例
第4回(2018年度前期) 20事例
第3回(2017年度) 17事例
第2回(2016年度) 30事例
第1回(2015年度) 27事例

第13回(2022年度)の受賞事例

受賞 部署名 改善事例
最優秀賞 放射線部 各病棟・外来でも、画像センターの現在の待ち状況が確認できます!
院長賞 12階東病棟 育てよう!未来のナースの卵
事務局長賞

リハビリテーション部

整形外科

経営企画G

スマホ世代が読みたくなるパンフレット作ってみました。
看護部長賞 10階西病棟 安心してください 準備していますよ!
本部長賞 栄養部 写真で見る食種 ダイジェスト

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