更新日:2024年4月24日

リハビリテーション部

リハビリテーション医療

リハビリテーション医療は、基本的動作能力の回復等を目的とする理学療法や、応用的動作能力、社会的適応能力の回復等を目的とした作業療法、言語聴覚能力の回復等を目的とした言語聴覚療法等の治療法より構成され、いずれも実用的な日常生活における諸活動の実現を目的として行われるものです。

基本理念

  1. 患者さんやご家族様に優しく接し、障害の軽減・克服の支援に努めること。
  2. チーム医療のもと、患者さんの身体機能の回復に最大限の努力を注ぐこと。
  3. 質の高い医療を提供すべく、自らの技術を日々向上させること。

対象

当院は急性期病院であり、ICU、HCU病床からの早期リハビリテーション介入、心大血管疾患、脳血管疾患、運動器疾患、呼吸器疾患、がん疾患などを対象とし、症状にあわせて心身の基本的な機能、嚥下機能、高次機能の改善を援助します。

スタッフ構成

医師 1名 理学療法士 22名
作業療法士 6名 言語聴覚士 5名
看護師 1名 リハビリ助手 5名

リハビリテーション部は、大きく3つの専門性をもった職種で構成されています。

理学療法士(PT:Physical Therapy)

理学療法士集合写真

病気やけがなどによって身体に障害をかかえた人や、入院期間中に障害の発生が予測される人に対して、座る・立つ・歩くなど日常生活を行うにあたり基本となる動作の回復や維持、障害の悪化防止を目的に、運動療法や温熱などの物理療法を用いて日常生活が送れるように支援します。

作業療法士(OT:Occupational Therapy)

作業療法士集合写真

作業療法士とは、病気やけが、もしくは生まれながらに障害がある人など、年齢に関係なく日常生活に支援を必要とするすべての人を対象に、将来の生活を見越して食事やトイレ、着替えなど日常生活に必要な動作獲得のための治療や援助、環境設定を行い、よりよい生活が送れるように支援します。

言語聴覚士(ST:Speech-Language-Hearing Therapy)

言語聴覚士集合写真

失語症、構音障害、高次機能障害などにより生じるコミュニケーションの問題に対して検査・評価などから問題の本質や発言メカニズム、対処法を見出し、必要に応じて練習、指導、助言、その他の援助などの専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援します。病気や加齢によって生じる摂食嚥下面の問題や口蓋裂に伴う嚥下障害などにも対応しています。

施設基準

  • 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
  • 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)
  • 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)
  • 運動器リハビリテーション料(Ⅰ)
  • 呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)
  • がん患者リハビリテーション料

各疾患別リハビリテーションの概要

心大血管疾患に対するリハビリテーション

対象患者

急性心筋梗塞、狭心症発作、心大血管術後、心不全、末梢動脈閉塞性疾患 等

概要

心臓病(心筋梗塞・心臓外科手術後、心不全など)発症により低下した体力を運動療法で回復させ、日常生活動作の再獲得・運動耐容能向上・再発予防を目的に安全に運動を行っています。
心臓疾患の再発や進行を抑え、退院後により良い生活が送れるためには、患者さん自身が自分の病気を知ることが大切です。運動・食事・薬・生活習慣などの注意点を学べるよう、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・薬剤師・管理栄養士等で協力して指導を行っています。
心臓リハビリテーション指導士という専門的な資格を持った療法士や心臓リハビリテーション室専従の看護師も在籍しており、安心してリハビリテーションを受けることが出来る体制となっています。

脳血管疾患に対するリハビリテーション

対象患者

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍、脊髄損傷、パーキンソン病 等

概要

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などを中心とする脳血管疾患や神経変性疾患の患者さんに対して早期からリハビリテーションを開始し合併症の発生や廃用症候群を予防します。
また、リハビリテーションスタッフによる機能訓練やADL訓練、高次脳機能障害に対する訓練、嚥下訓練等を実施していきます。
脳卒中地域連携パスを用いて、急性期から回復期へのシームレスなリハビリテーションを提供しています。

運動器疾患に対するリハビリテーション

対象患者

骨折、切断、脊椎損傷、関節の変性疾患 等

概要

交通事故や転倒などによる外傷性疾患(四肢の骨折・骨軟骨損傷・神経筋肉損傷・脊髄損傷)、加齢による退行性変性疾患(変形性膝関節・股関節症)のリハビリテーションを中心に行っています。
安静臥床によって発生する合併症を防ぐために、できるだけ早期にリハビリテーションを開始し、離床を進め全身的な機能回復を目指します。
大腿骨頚部骨折においては、地域連携パスを使用し、他の医療・福祉関係機関と連携しながら在宅生活復帰を支援しています。

呼吸器疾患に対するリハビリテーション

対象患者

肺炎、無気肺、肺腫瘍、慢性閉塞性肺疾患(COPD) 等

概要

肺炎、無気肺、肺腫瘍、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支拡張症、肺結核後遺症や喘息などの呼吸器疾患患者さんに対して呼吸リハビリテーションを提供しています。
3学会合同呼吸療法認定士や呼吸ケア指導士という、呼吸に関する専門的な資格を持った療法士が多数在籍しており、安心して呼吸リハビリテーションを受けることができる体制となっております。
呼吸機能や体力、筋力、日常生活動作の検査をもとに、個別の呼吸リハビリテーションプログラムを計画して、呼吸練習、運動療法、排痰練習、日常生活動作練習を行い、早期の自宅退院を目指しています。
人工呼吸器装着患者さんに対して、急性期から積極的な介入を行い、呼吸ケアの専門職によって構成された呼吸ケアサポートチームによる回診・カンファレンスを定期的に行った上で、人工呼吸器早期離脱の支援に取り組んでいます。

造血幹細胞移植患者に対するリハビリテーション

対象患者

がん治療のために入院している間に手術、化学療法、放射線治療若しくは造血幹細胞移植を行われる患者さん

概要

近年、造血幹細胞移植患者さんに対するリハビリテーションは、運動機能および生活の質(QOL)を維持・改善することが欧米で報告され推奨されています。当院では2006年より造血幹細胞移植のリハビリテーションを開始し、移植関連合併症の予防、早期社会復帰、生活の質(QOL)向上に努めています。
リハビリテーション部スタッフは、医師・歯科医師・看護師・薬剤師・栄養士・臨床心理士から構成される、多職種によるチーム医療の一員として、造血幹細胞移植に携わっています。

取り組み

休日リハビリテーションの実施

早期離床が行えるように手術直後の運動器疾患患者さんや自宅退院を目標とする脳血管疾患患者さんに対して休日のリハビリテーションを実施しています。

糖尿病患者に対する運動指導

糖尿病の患者さんに対して、教育入院または外来にてストレッチングやウォーキングなどの、運動療法を指導しています。基本的な内容に加え、患者さんそれぞれの体調や状態に合った日頃から行える運動療法の提案を行っています。
リハビリテーション部スタッフは、医師・看護師・薬剤師・栄養士・臨床検査技師から構成される、多職種によるチーム医療の一員として、糖尿病患者さんの支援に携わっています。

小児患者に対するリハビリテーション

新生児集中治療室(NICU)では、低出生体重児・ハイリスク児・中枢神経系疾患を持つ子どもを対象とし早期よりリハビリを実施、正常発達を促しています。また、家族指導や地域療育機関と連携を図り、円滑に自宅退院出来るよう支援しています。

乳がん患者に対するリハビリテーション

術後乳がんの患者さん(腋窩リンパ節廓清)を対象にリハビリテーションを実施しています。術後に起こりえる肩関節の可動域制限に対して、維持・改善を目的にDVDを利用したリハビリテーションを行い、退院後も継続して行えるようDVDの貸し出しも行っています。

人材育成

安心・安全なリハビリテーションが提供出来るように、新規採用職員を対象に研修プログラム制度を導入しております。基礎的な評価方法や移乗動作などの実技、医療統計や学会発表に向けた支援など幅広い内容となっており、急性期治療における様々な分野について学ぶことが出来ます。

2METsボード

2METsボード

急性疾患治療中に安静のため廃用症候群を合併し、立位保持や歩行困難となることがあります。このような患者さんに対して廃用症候群からの脱却を図るため、2METsボードでの低負荷運動を行い歩行能力の再獲得を果たしています。

人工股関節・骨頭置換術後の生活リハビリノート

リハビリノート
人工股関節・骨頭置換術後の患者さんに対し、日常生活を安全に行っていけるよう、基本動作の注意点・日常生活動作上の疑問点などに対する回答を、写真入りでわかりやすいパンフレットとして配布しています。

松葉杖パンフレット

松葉杖が処方された患者さんに対し、荷重量に合わせたパンフレットをご準備しております。二次元コードにも対応しており、外出先などで困ったときなどにも、気軽に基本動作や注意点などについてご確認いただけます。

リハビリテーション室、リハビリ機器・検査器具紹介

理学療法・作業療法室
理学療法・作業療法室
言語療法室
言語療法室
心臓リハビリテーション室
心臓リハビリテーション室
ADL(日常生活動作)室
ADL(日常生活動作)室
体組成計
体組成計
スパイロメーター
スパイロメーター
CPX
CPX
重心動揺計
重心動揺計
筋電図
筋電図
免荷式リフト
免荷式リフト
ストレングスエルゴ
ストレングスエルゴ

リハビリテーション部ダンベル

ダンベル
低周波治療器
低周波治療器

リハビリテーション部 長下肢装具

長下肢装具

研修施設認定・認定資格

研修施設認定

認定理学療法士臨床認定カリキュラム教育機関(脊髄障害) 

当院リハビリテーション部は、公益社団法人 日本理学療法士会の脊髄障害認定理学療法士臨床認定カリキュラム教育機関に登録されています。

2024年度 脊髄障害認定理学療法士臨床認定カリキュラム開催要項

  1. 会場

愛媛県立中央病院

  1. 研修形式

オンライン

  1. 開催方法

ライブ配信、オンデマンド配信

  1. 開催日時

2024年8月前半~10月前半の金曜日(祝日の場合は木曜日)の夕方にオンデマンド配信

  1. 定員

30名

  1. 受講費

無料

  1. 応募締め切り

2024年731日(月曜日)18

  1. 申し込み方法

下記のメールアドレスに以下の情報をご入力の上、お申し込みください。

その際、件名を「脊髄障害認定理学療法士カリキュラム」としてください。

申込先メールアドレス:creha-contact@eph.pref.ehime.jp

必須情報:

  1. 氏名
  2. シメイ(フリガナ)
  3. メールアドレス
  4. 生年月日
  5. 会員番号
  6. 所属県士会
  7. 所属施設
  8. 登録理学療法士登録番号(Tから始まる登録番号)

問い合わせ先:

愛媛県立中央病院 リハビリテーション部

理学療法士 武智悠二

TEL:089-947-1111(内線:7749)

メールアドレス:creha-contact@eph.pref.ehime.jp

その他

本カリキュラムは登録理学療法士取得者を対象としたものです。登録理学療法士は理学療法士協会ホームページのマイページより確認できます。事前にご自身が登録理学療法士であるか必ずご確認ください。

認定資格

認定団体・学会 名称
日本理学療法士協会 専門理学療法士(内部障害理学療法)
日本理学療法士協会 認定理学療法士(脊髄障害)
日本理学療法士協会 認定理学療法士(運動器)
日本理学療法士協会 認定理学療法士(呼吸)
日本理学療法士協会 認定理学療法士(代謝)
厚生労働省と医療研修推進財団 理学療法士作業療法士言語聴覚士養成施設教員等講習会修了
日本理学療法士協会 臨床実習指導者講習会修了
日本作業療法士協会 臨床実習指導者講習会修了
日本理学療法士協会 生涯学習制度新人教育プログラム臨床指導施設講師
日本理学療法士協会 介護予防推進リーダー
日本理学療法士協会 地域包括ケア推進リーダー
日本理学療法士協会 フレイル対策推進マネージャー
日本理学療法士協会 協会指定管理者(上級)
日本理学療法士協会 協会指定管理者(初級)
日本作業療法士協会 認定作業療法士
日本言語聴覚士協会 認定言語聴覚士(失語・高次脳機能障害領域)
日本言語聴覚士協会 認定言語聴覚士(摂食嚥下障害領域)
日本言語聴覚士協会 生涯学習プログラム基礎講座講師
日本言語聴覚士協会 介護予防推進リーダー
日本言語聴覚士協会 地域包括ケア推進リーダー
日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士
日本循環器学会 心不全療養指導士
日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会 3学会合同呼吸療法認定士
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 呼吸ケア指導士
日本糖尿病療養指導士認定機構 日本糖尿病療養指導士
日本腎臓リハビリテーション学会 腎臓リハビリテーション指導士
健康・体力づくり事業財団 健康運動指導士
日本障がい者スポーツ協会 中級障がい者スポーツ指導員
日本臨床栄養代謝学会 栄養サポートチーム専門療法士
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
日本認知症ケア学会 認知症ケア専門士
日本科学技術連盟 日本科学技術連盟QCサークル上級指導士
東京商工会議所 福祉住環境福祉コーディネーター2級
厚生労働省 介護支援専門員
文部科学省・厚生労働省 公認心理師
愛媛相談支援協会 障がい者相談支援専門員
愛媛相談支援協会 児童発達支援管理責任者

PR動画

愛媛県立中央病院採用動画

臨床検査技師・診療放射線技師・薬剤師・理学療法士・臨床工学技士のインタビューや業務の様子を紹介しています。(2021年4月公開)

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