更新日:2021年11月17日

BFH認定継続のご紹介

【赤ちゃんにやさしい病院】BFH認定継続

近藤 裕司
総合周産期母子医療センター長
近藤 裕司
(こんどう ゆうじ)

当院の総合周産期母子医療センターは、母児ともに高度な集中治療への対応が可能であり、愛媛県の他の医療施設と密接に連携することによって、愛媛県全域からの多くのハイリスク妊産婦の緊急搬送、紹介に対応しています。

一方、当院は2008年より「赤ちゃんにやさしい病院」Baby Friendly Hospital(BFH)として認定を受けています。

1989年3月WHO・ユニセフは、「母乳育児の保護、促進、そして支援するために、産科施設は特別な役割を持っている。」という共同声明を発表しました。母乳育児成功のための基準は、「母乳育児成功のための10カ条」としてWHOとユニセフによって、世界のすべての病院に広く紹介されています。WHO・ユニセフは、この10カ条を長期にわたって尊守し、実践する産科施設を「赤ちゃんにやさしい病院」BFHとして認定することになりました。2008年当院は、BFHとしてはじめて認定されました。2015年2度目の再評価を受け、無事継続認定されました。

当院のBFH認定プレート
当院のBFH認定プレート

BFHとして認定を受けるには数多くの問題を解決していく必要がありましたが、産科、新生児科スタッフの努力に加え、当院の関係各部署の協力により、BFHとしての再評価に対して継続して認定を受けることができました。

母乳育児は、育児の喜びを享受することが自然にできます。お母さんの育児の喜びは赤ちゃんの喜びにもなります。母乳を与えることは、赤ちゃんをじっと見つめること。母乳は自然に出るものです。何も用意するものはいりません。母乳育児をしていくと、赤ちゃんはとてもうれしそうで喜んでくれます。かわいいし、その喜ぶ顔をみるのがうれしい。また母乳をあげたくなります。そして育児が楽しくなります。それが育児の喜びとなり、赤ちゃんも安心してお母さんに抱かれます。そこから赤ちゃんに愛着がわいてきます。赤ちゃんは生きるための栄養が豊富な母乳をくれるし、温かい、優しい声のこの人が一番信頼できる存在と認識していきます。これこそが母子の心の絆となっていきます。

出産の高年齢化などを背景にハイリスク妊娠・分娩の母子が増加してきており、母乳育児の実践が困難な状況になって来ています。この点についても当院の総合周産期母子医療センターは、新たな母子支援、家族支援のあり方、あるいは育児支援についても貢献していきたいと思っています。

愛媛県立中央病院総合周産期母子医療センター長 近藤 裕司

産科病棟 看護長からのメッセージ

当院は2008年に「赤ちゃんにやさしい病院=BFH」として認定され、母乳育児支援に取り組んでいます。

厚生労働省も「健やか親子21」推進運動として「1か月の母乳率を60%に」と目標指針を出しました。それを受けて日本の母乳率も1か月時点で42%から51%に上昇し、ミルクのみの赤ちゃんはわずか数%です。

ほとんどの赤ちゃんは何らかの母乳育児を行っています。(「日本母乳の会データブック」より)お母さんと赤ちゃんを取り巻く環境は、大変な勢いで変化しています。その中で母乳育児を推進して行うこと、それを継続していくことは大きな意義と役割を持っていると実感しています。

「赤ちゃんとお母さんはいつもいっしょ、自然なかたちですべての赤ちゃんにおっぱいを」を思い、生まれてくる赤ちゃんに、母乳の恩恵を受けることができるように、またお母さんに母乳で育てることの素晴らしさを感じていただけるように、愛媛県で数少ないBFH認定病院として、今後も病院全体で取り組みを継続していこうと思っております。

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